関東大手私鉄が発表する2022年度の事業計画などを基に関東大手私鉄の新車計画を紹介します。順次加筆・修正の予定です。
記事作成日: 2022年4月29日/記事更新日: 2022年5月18日
引き続き導入される予定の17000系 |
新車より衝撃の譲渡車検討 西武鉄道
西武鉄道は5月12日に「事業計画」を、西武ホールディングスも同日に「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)』の進捗」を発表しました。
「事業計画」によると新型車両40000系が3編成導入されます。既に車両側の対応工事が進められていたデジタル無線への更新が実施されます。
衝撃的だったのは「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)』の進捗」のほうです。2022年度中の話ではありませんが、将来的にサステナ車両と西武鉄道が呼称する、譲渡車の話が含まれていました。サステナ車両は、コスト削減を進めるため他社から導入を検討している、無塗装VVVFの中古車両のことです。この文が出る前にはJR東日本と営業面・運転面で協力するとあるので、そのまま考えるならばJR東日本から車両の譲渡を受けると考えるのが自然ですが、本当にJRの車両が西武鉄道を走るかは気になるところです。
車両更新のみで来年以降に1500形更新? 京浜急行
京浜急行は5月11日に「鉄道事業設備投資計画」を発表しました。今年度は新車の導入は無いようです。
2022年度中に行われるとはっきり書かれているのは新1000形の車両更新で、フリースペースや車内液晶の設置と、走行機器の更新のみです。
一方で2022年度以降で発表されたのが1500形の置き換えで、来年度以降からの実施となりそうです。1500形は1985~1993年までに製造された車両で、鋼鉄製で製造時から現在まで界磁チョッパ制御の初期製造グループの4両編成・アルミ製で界磁チョッパからVVVFに更新された中期製造の6両編成・アルミ製で最初からVVVFで機器更新をしていない後期製造の8両編成と、製造年も車両構造も異なっています。車両の痛み具合が基準ならば、初期車の4両編成、機器更新をしていない後期車、最後に中期製造となります。
界磁チョッパからVVVFにすることでの省エネ性もアピールされていたので、まずは4両編成の車両が更新されると思います。その後の順番は運用の都合も大きいので、今後の動向に注目です。
新車ゼロ?で力を溜める 東武鉄道
東武鉄道は4月28日に「設備投資計画」を発表しました。今年度は新型車両の導入は無いようです。
スペーシア100系の後継として導入が発表されたN100系は、2022年度は車両製造のみを行い2023年度導入とあります。今年度中に納車され試運転などの車両を実際に動かせる形にするかは微妙な表現となっています。
通勤電車は車両更新含めて大きな発表は無しです。なので、内装や電装部品の大幅更新しない小規模なもののみとなるかと思ったのですが、東武鉄道の車両更新の委託を受けている津覇車両に更新車とみられる車両が入場したため、大幅な更新も行う車両もあるかもしれません。また、70000系4編成・50000系8編成に車内カメラの搭載、列車の走行データを収集するシステム「Remote」を500系4編成・50000系1編成搭載予定と発表しています。
2023年度からN100系新型スペーシアの導入、2024年度から野田線(アーバンパークライン)向け通勤電車の導入が控えているため、今年はかなり控えめな動きとなったようです。
新横浜線開業に向けて準備 相模鉄道
相模鉄道は4月26日に「鉄道・バス整備投資計画」を発表しました。今年度は21000系3編成の導入のみで車両更新の発表はありませんでした。
2023年3月に新横浜線が開業し5社11路線の乗り入れが実施されるに合わせて、以前から導入を続けていた20000系・21000系の導入も大詰めとなり3編成の導入です。21000系は20000系を8両版と言えるもので、微妙な違いはありますが実質20000系と同形式の車両です。
車両更新の発表が無いのでヨコハマネイビーブルー塗装への変更など、外観と内装を大きくリニューアルするは今年度は無さそうです。同様の発表だった昨年の動きを見ると、大幅なリニューアルを伴わない機器更新は実施されるかもしれません。
7000系全廃か?東京メトロ
東京メトロは「事業計画」を発表しました。今年度は有楽町・副都心線、丸ノ内線、半蔵門線に新車を導入するとしています。
有楽町・副都心線は7000系が2編成残っているので、17000系増備で全廃になる可能性が高そうです。丸ノ内線の02系と半蔵門線の8000系については、まだ多数の車両が残っています。そのため丸ノ内線向け2000系と半蔵門線向け17000系の増備は来年以降含め続きそうです。
南北線用の増結車については去年同様具体的には触れられませんでしたが、今年度も増備されると予想されます。
小さな動きでは車両の改修で、丸ノ内線、日比谷線、有楽町・副都心線、半蔵門線の車両に脱線検知装置を搭載し、脱線時に自動停止するシステムの搭載を予定しています。
三田線・新宿線・大江戸線へ新車導入 都営地下鉄
東京都交通局は「東京都交通局経営計画2022」として2024年度までの計画を発表しました。新型車両は三田線4編成、新宿線4編成、大江戸線8編成を2024年度までに導入と発表です。
まとめての発表で今年度の具体的な内容は分かりません。三田線の8両化や新横浜線開業が来年であることを考えると、今年度に集中投入されそうです。また、新宿線の10両化が今年度終了を予定しているので、新宿線も確実に車両の動きが発生すると予想されます。
あくまでも試験となりますが、操舵台車の試験導入を騒音低減で快適性向上のために予定しています。台車の構造としては東京メトロが採用している、台車の片側のみ動くタイプです。大江戸線も新車導入があるので、新車への導入となるのか既存車での試験となるのかも注目です。
小さな動きとしては走行時の車両データを集める車両情報収集システムの運用を今年度から三田線で開始し、車内の監視カメラを2024年度までに16編成に設置の予定です。
0 件のコメント:
コメントを投稿