京急川崎駅に残された最後の通称「パタパタ」表示器、正式名称「反転フラップ式案内表示器」について紹介します。
京急川崎駅 反転フラップ式案内表示器 |
そもそも「パタパタ」って何?
「パタパタ」の愛称でよばれている表示器は、「反転フラップ式案内表示器」と呼ばれるものです。フラップと呼ばれる薄い鉄板をパタパタ切り替えることで、行先や列車種別を表示します。1953年に東京駅に設置されたのが日本では最初のようです。
最近ではおしゃれな卓上時計ぐらいでしか見かけなくなりましたが、以前は大きな駅や空港に多く設置されていました。今では国内だと関東では京急川崎駅が最後に、一部の関西私鉄駅や空港にわずかに残るのみとなっています。
フラップを転換する必要があるため、表示を切り替えるの時間がかかります。また、鉄板に文字や記号などを使う場所にあった印刷をする必要があるため、基本的に特注品になりコストもかかりますし、新しい表示をするにはフラップの交換が必要になったりもします。そのため最近では、切り替えが早く簡単にデータの更新で新しい表示が出来る、LEDや液晶をモニターを使った表示器が一般的になっています。
京急川崎駅のパタパタ
京急川崎駅下りホームは日中でも毎時18本の発着本数があり、緩急接続可能な1面2線の構造です。そのため表示内容も列車の「発車順番・発車番線・種別・行先・時刻・車両数・補足情報」と、7種類のフラップで多くの情報が表示できます。段数も三段の表示で、一度に3本の列車の情報が表示可能です。
この表示器は複数の機能が一体になったタイプでパタパタだけでなく、上部に停車駅表示のランプやパタパタ横にアナログ時計が付属しています。
時計の下にある「京三製作所」のロゴ |
製造は信号装置やホーム設備を多数製造している、国内鉄道装置大手の京三製作所です。
表示切替は列車が発車する行われます。上段から下段と順番に表示が切り替わっていきます。
ズームして撮影 |
下からよく見ると、フラップは上下2分割されていて、だいぶ痛みがあるのも分かります。
このように他の表示器にはない様々な特徴をもったものです。仕方がないとは言え、なくなるとちょっと寂しいものですね。何気ない表示器にも、今後は目を配って見ていきたい気持ちになりました。
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