三ケ尻線どうして部分廃止になったかや、今後どこから甲種輸送する可能性があるかについてを紹介します。
石炭輸送と終わる三ヶ尻の役目
最後の甲種輸送を記念するヘッドマーク |
三ヶ尻線は「武川~熊谷貨物ターミナル駅」間を結ぶ、秩父鉄道の貨物線です。旅客と貨物線を持つ私鉄は数少ないので、珍しい路線と言えます。
秩父線の本線方面影森駅からは、秩父でとれた石灰石を太平洋セメントの工場のある三ヶ尻駅まで運んでいます。そして川崎のJR扇町駅から石炭を熊谷貨物ターミナル駅を経由し、三ヶ尻駅まで運んでいました。貨物以外にも東武鉄道の新型車両も三ヶ尻線を経由して運んでいました。
石炭輸送が2020年春にトラック輸送に変更されたため、定期運行が無くなる上に老朽化が進んでいるとして「三ヶ尻~熊谷貨物ターミナル駅」間を廃止すると決めました。2020年9月30日を貨物輸送の終了の予定日としています。
また、鉄道を使った石炭輸送も北海道にある日本唯一坑内採掘を行う釧路コールマインが専用線での石炭輸送をやめたため、秩父鉄道とJR貨物が運行するこの路線が最後でした。なので、日本での鉄道石炭輸送の歴史を幕を閉じました。日本の鉄道史としても非常に大きな出来事の一つと言えると思います。
※露天掘りの炭鉱は国内にいくつかあります。
三ヶ尻線廃止で熊谷連絡線もそのうち復活?
三ヶ尻線が部分廃止されたことで、秩父鉄道の甲種輸送ルートは変更するしかありません。新型車両の導入時だけでなくSLパレオエクスプレス用のC58形をJRに委託して高崎で整備してもらっているので、送り込みの際にもJRとの接続は必要です。
熊谷駅にある連絡線 デッドセクションの表示がある |
秩父鉄道では寄居駅でJR八高線と、熊谷駅でJR高崎線と接続しています。寄居駅での接続は今でもパレオエクスプレスの返却時に利用されたりしています。一方熊谷駅のほうは、線路も架線も繋がっているものの、枕木が線路の上に置いてある状態で利用されていません。ただ、デッドセクションの表示が今もあり、JRが架線柱を更新した際にも維持がされました。
熊谷貨物ターミナル駅が近いので留置がしやすく高崎線で日常的に貨物輸送が行われているのを考えると、寄居駅より熊谷経由の利便性は高く感じます。ただ、高崎線の運転本数や信号システムの違いなどを考えると深夜以外は利用が難しそうな点もあります。
一方で寄居駅には今も利用されている実績や秩父鉄道の長い側線があります。逆に問題としては今はやっていない甲種輸送が出来るのか、現状八高線に乗り入れてる機関車はJR東日本のDD51のみでJR貨物は乗り入れていない、倉賀野など貨物駅からの距離にも難があります。
今後熊谷連絡線が復活するかにも注目です。
東武鉄道は栗橋からになる?
東武鉄道は秩父鉄道を経由して、羽生駅で新型車両を受け取るのが普通となっています。しかし、今回の三ヶ尻線の廃止でそれが出来なくなりました。
東武鉄道が貨物輸送を行ったいたころは久喜駅に東武伊勢崎線とJR東北線との連絡線があったのですが、今はそれもありません。その代わり特急スペーシアなどがJR新宿駅に直通するようになったため、栗橋駅に東武日光線でJR東北線との連絡線が設置されています。なのでこちらからの輸送が今のところ有力と言えそうです。
栗橋連絡線なら東武の一番大きい車両工場のある南栗橋駅に近く、既存の設備が使えるメリットがあります。一方で6両編成の特急列車が使う前提である上にJRと東武どちらの側にも側線などはなく、東北線や日光線の運行頻度を考えると日中に輸送するのは難しく、近くに貨物ターミナルも無いのでその点でも問題がありベストととも言えないのも事実です。
秩父鉄道の連絡線次第で、引き続きそちらからの輸送もあるかもしれません。
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