さよなら東急電鉄7700系
池上線を走る 東急電鉄7700系 |
東急電鉄ではステンレス車体の車両を製造すべく、当時最先端のステンレス車両を造っていたアメリカのバッド社からライセンス購入を行い7000系を製造しました。それ以前にも車体にステンレスを使った車両はありましたが、全ての部材がステンレスというわけではありませんでした。7000系はステンレス製で錆に強いというだけでなく、アメリカの車両設計を基礎としていました。アメリカの場合車両同士の衝突なども想定するので、日本向けに変更した部分もあったでしょうが非常に頑丈につくられていました。今のステンレス車両は軽量化と共に衝突時に衝撃吸収を行うので、安全性という面では比較は難しいのですが、単純な頑丈さで言えばおそらく7000系の上です。そして、7000系は1962年に東急電鉄で運行を開始し2000年に引退しました。
7000系の流れを受け継いでいたのが、1987年に誕生した7700系です。7000系の頑丈なので車体だけ流用し、電装部品を抵抗制御からVVVFに変更したり台車を8000系と同じものにするなど、大幅な改造が施されて誕生しました。最終的にはワンマン化や方向幕のLED化にまで対応したので、外観以外は常に時流にあった改造が施されていました。そんな7700系ですが、2018年11月24日をもって東急では最後まで運行されていた池上線・多摩川線を去りました。
引退直前の7700系
7000系の流れを受け継いでいたのが、1987年に誕生した7700系です。7000系の頑丈なので車体だけ流用し、電装部品を抵抗制御からVVVFに変更したり台車を8000系と同じものにするなど、大幅な改造が施されて誕生しました。最終的にはワンマン化や方向幕のLED化にまで対応したので、外観以外は常に時流にあった改造が施されていました。そんな7700系ですが、2018年11月24日をもって東急では最後まで運行されていた池上線・多摩川線を去りました。
走り続ける7000系
まもなく引退する 福島交通7000系 |
東急電鉄では2000年に引退した7000系ですが、地方私鉄では運行を続けています。現在運行を続けているのは、青森県の弘南鉄道・石川県の北陸鉄道・大阪府の水間鉄道・福島県の福島交通の4社です。
豪雪地帯の場合鋼鉄車両が腐食したりしますが、オールステンレスの強みを生かして雪の少ない東京から移っても元気に走ることが出来ます。
ただ、栄転先でも引退の影が迫っています。福島交通では東急電鉄より東急1000系を購入し、順次置き換えを進めています。2019年度より全てが1000系になるので、東急時代と同じように後輩形式に仕事を譲ることになります。
一方で水間鉄道では2006年より数年かけて更新工事を行っているので、こちらはしばらく安泰のはずです。弘南鉄道・北陸鉄道でもいずれ置き換えがあるでしょうが、今のところは大丈夫そうです。
7700系は養老鉄道へ
一方7700系については(3両×3編成・2両編成×3編成)が、新たに岐阜・三重県を走る養老鉄道へ譲渡されます。譲渡されるにあたり、様々な改造されます。車内については座席を一部クロスシートに変更、運賃表を設置します。外観については半分の編成は緑のラインになりますが、もう半分は東急時代のデザインを維持したままとなります。3両編成そのままの車両と、1両減らして2両編成の車両の二種類が登場します。パンタグラフはシングルアームに換装されるようです。
面白いことに改造が行われるのは、近鉄の工場となります。養老鉄道は赤字に苦しむ近鉄養老線を救うために、子会社として分離して誕生した鉄道会社です。養老鉄道の出資者の100%が近鉄の完全子会社なので、実質近鉄の一部です。なので、改造は近鉄の工場という面白い分担となりました。
こちらのほうはこれから運行を開始するので、末永く活躍を見ることが出来そうです。がんばれ7700系!
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