まさかの国鉄型長距離列車の復活へ
ベースとなる117系 |
JR西日本は117系を改造した長距離列車を、2020年夏ごろまでに「京阪神~山陰・山陽」間へ投入を目指すと発表しました。コンセプトは「多様性・カジュアル・くつろぎ」としています。
『料金については、「一つの物差し」として大阪―出雲市駅間(約7千~約2万3千円)を例に挙げた。』『』: 朝日新聞デジタル 2017.06.20 「JR西、料金安めの長距離列車導入へ 20年夏までに」よりの引用
コンセプトに「カジュアル」があるように価格もいままでのような高価なものでなく、リーズナブルなものを目指すとしています。計画はかなり具体的な部分まで進んでいるようで、上の引用にあるように最安運賃が7千円程度と具体的な想定価格まで出ています。また、運行は昼だけでなく、夜行列車としての運行を検討しているのも驚きです。
編成イメージ図 |
6両編成中に「グリーン車・普通車・フリースペース・ノビノビ座席」を組み込んだ多様なものとなります。座席も「椅子・コンパートメント・ノビノビ座席・個室」と、多種多様になっています。このような編成は、急行「はまなす」を彷彿させます。
上の図は現在の6両編成の機器配置図と、JR西日本が発表した編成イメージ図を合わせたものです。グリーン車は車両端に配置しM車を避けることで、快適性を高める配置としたようです。
上の図は現在の6両編成の機器配置図と、JR西日本が発表した編成イメージ図を合わせたものです。グリーン車は車両端に配置しM車を避けることで、快適性を高める配置としたようです。
料金サンライズ出雲より安く?
サンライズ出雲
ノビノビ座席: 9390円
シングルデラックス: 22800円
ソロ: 15550円
高速バス: 4600円~
普通列車乗り継ぎ: 6480円
117系長距離列車は「7000~23000円」程度を想定してるとの話ですが、寝台特急サンライズ出雲との比較である程度内訳が見えてきます。
最低料金の7000円は、普通運賃と指定席券520円を足した金額です。それに対し23000円は、サンライズ出雲の一人用最上位グレードのシングルデラックスと同じ金額なので、グリーン車の個室の値段だと思われます。
また、高速バスとは比較しても値段差は2500円程度なので、車内をぶらぶら動ける快適性を考えると、そこは大きなメリットで勝機が少し見えてきます。あとはコンセントがあるか、前後のシートピッチや座席の質がどのようなレベルかによりそうです。
117系電車って?
今回長距離列車に改造される117系電車ですが、国鉄時代に製造された車両です。今でこそ普通列車として運行されていますが、新快速として東海道・山陽本線を駆け抜けていた車両です。
そのため6両編成の場合4両がモーター車である4M2T構成の上、JR東日本の185系特急電車と同じモーターや台車を装備し、高速走行に対応したものとなっています。
国鉄のノスタルジーはあるが…
国鉄型を使用した長距離特急は臨時夜行列車ぐらいで非常に少なくなっているため、高齢の方にはノスタルジーを感じさせ、若い方には新鮮さを感じさせると思います。もともとが高速走行を前提とした設計の車両なので、乗り心地はそれほど悪くないと思います。
しかし、弱点もあります。最新の車両と比べると五月蠅いのです。この頃の車両でも防音対策はされているのですが、最新型の特急などと比べるとかなり劣ります。古い車両で安く運行するので、そこは許容するしか無いところだと思います。このデメリットを他でどれだけカバー出来るかも、鍵となりそうです。
久々に庶民の足と言った列車の登場です。正直なところ「四季島・瑞風」などよりワクワクしています。今後どうなっていくか、新しい情報が出次第追記していきたいと思います。
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