2016年2月13日土曜日

北海道新幹線試運転を振り返る その2




2014年12月から本格的に始まった北海道新幹線の試運転などについて、記事の整理を兼ねて2回に分けて振り返ります。このページでは2015年度の試験を振り返ります。

3月のダイヤ改正で北斗星・トワイライトエクスプレス廃止

青森駅停車中のはまなす用ED79形
新幹線開業まで運行を続ける
急行「はまなす」
北海道新幹線の試験が本格化するということで、寝台特急「北斗星・カシオペア」の定期運行が2015年3月のダイヤ改正に合わせて終了しました。

「北斗星」は2015年8月末まで隔日を基本とした臨時列車として、「トワイライトエクスプレス」はクルーズトレイン運行開始までの繋ぎとして3月以降は本州のJR西日本管内で運行を開始しました。

「はまなす・カシオペア」については北海道新幹線開業直前まで運行を続けます。

春の試験でEasi-i乗り入れへ

2015年4月21日から7月30日にかけて、2015年度の試験走行が始まりました。2014年度の時点で「新函館北斗~奥津軽いまべつ」間の試験が行われていましたが、「奥津軽いまべつ~新青森」間の本州側を中心に全区間が試験対象です。

5月24日の試験で40km/hという低速で「奥津軽いまべつ駅~新青森駅」間の走行試験が実施され、新規開業区間全線の走行が完了しました。新青森到着時はセレモニーが行われました。

そして、6月11日は今まで使われてきたH5系のほかに、JR東日本E926形「East-i」が本州側から北海道に向けて試験走行が行われました。

このE926形「East-i」は東海道・山陽新幹線でいうドクターイエローにあたる車両で、270km/hの速度で検査をすることが出来ます。11日の試験では、試験区間48kmを約1時間45分ほどかけて走破したので、ややスピードを抑えての走行です。平均すると特急「スーパー白鳥」の表定速度と同じぐらいの速度でしょうか。12日の試験で「East-i」は本州側へ帰っていきました。

公式な発表ではそれまでJR北海道所属のH5系での試運転しかなかったので、この試験でJR東日本所属の新幹線車両が初めて北海道へ渡ったことになります。

北斗星廃止と共に乗務員訓練開始

寝台特急「北斗星」の最終列車が8月22日に通過したあと、北海道新幹線の乗務員訓練が開始されました。

北海道新幹線では青函トンネル区間が日中は在来線特急や貨物が運行しているため、開業まで深夜帯に週4回3往復程度行われます。

実際の列車の運行パターンに近づけて訓練するため、通過・停車様々なパターンで運行するほか、駅や車内の放送やドア・ホーム柵操作なども行います。この訓練とは別に列車運行オペレーションの確認や異常時の対応訓練のため、「新函館~木古内」間は日中も新幹線を走行させる場合があります。

北陸新幹線では12月ごろ日中に営業運転と同じような間隔で訓練を行っていましたが、北海道新幹線ではだいぶ早い8月からの訓練となりました。実際の営業では一日13往復に対し、訓練では時間の関係で3往復しか行えず、これが早めの実施となった理由だと思います。

正月には青函トンネル完全運休実施

今までは営業時間の合間を縫って深夜帯の貨物列車や夜行列車の運休のみで試験を行ってきましたが、2016年の正月には青函トンネルを含む区間で初めての全線運休が行われました。

この運休は北海道新幹線と在来線貨物が使用する信号システムの確認のためで、新幹線車両のほかJR貨物のEH800形なども参加しました。

3月には4日間の完全運休

営業に向けて乗務員の訓練などを続けている北海道新幹線ですが、3月の22日から25日の4日間に設備の切り替えのため青函トンネルを含む区間が運休します。この運休が終わる26日が北海道新幹線開業日となります。

この運休もあって、ダイヤ改正より一足早く寝台特急「カシオペア」は3月20日発・急行「はまなす」は21日を持って営業終了となります。

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