受注は英国南西部向け
今回受注したのはイギリス・スコットランドに本社を持つファーストグループ社(FirstGroup plc)の子会社、ファースト・グレート・ウェスタン社(First Great Western Limited)が運営するイギリス南西部路線向け車両です。今回は40年前に作られた高速車両の置き換え用としての導入ですが、対象はディーゼル駆動の高速車両Class43のようです。運行は2018年の予定です。
ファーストグループ社はイギリス国内外でバスや鉄道の運営を行う会社で、イギリスでは鉄道とバス事業を行っています。2015年3月23日に日立は同社から優先交渉権を獲得したと発表していたので、予定通り受注を獲得したことになります。
ジャベリンとClass800/801の進化系AT-300
導入数: 7両×5編成+5両×22編成=173両(29編成)
今回受注を獲得したのは標準型都市間車両「AT-300」です。日本で走る「A-train」の技術をベースに設計された英仏間向け高速車両Class395通称ジャベリンを改良したClass800を、さらに改良した車両です。
車両の特徴としては高速車両であるほかに、Class800と同じように電化区間と非電化区間を走れることです。電化区間では架線から電気を受電し、非電化区間ではディーゼル発電機からの電力でモーターを動かし走行します。このシステムはJR東日本が運行を予定しているクルージングトレイン「四季島」と似たものとなっています。
Class800との違いは急勾配に対応するためエンジン出力を強化したこと、非電化区間での走行距離を伸ばすために燃料タンクが大型のものになってる点です。
Class800仕様
電源: AC25kV/ディーゼルエンジン
最高速度: 201km/h
設計最高速度: 225km/h
主電動機: 226kW
台車: ボルスタレス台車
細かい仕様などは発表されていないので不明ですが、基本的にはClass800に準じたものになると思います。「AT-300」は営業最高速度225km/h・オプションで250km/hまで出せるように設計されている車両ですが、Class800や置き換え対象と思われるClass43の営業最高速度が200km/hなので、同じ200km/hになるのではないかと思います。
主電動機は出力300kwが標準の新幹線に比べると、Class800はJR223系と同じぐらいの226kwと小さめです。今回導入される線区では急勾配がので、エンジンや燃料タンクのほかにも若干の主電動機の強化やM車比向上があるかもしれません。
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