2015年7月31日金曜日

さよなら急行はまなす 乗り収めの旅




最後の夜行急行となった「はまなす」ですが、北海道新幹線開通とともに廃止か運転区間縮小が濃厚となっています。今回はそんな「はまなす」の乗り収めの旅をレポートします。

急行「はまなす」とは?

急行「はまなす」は津軽線・海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線・千歳線を経由して、「青森~札幌」間を結ぶ夜行列車です。急行「きたぐに」や北斗星が臨時化した今となっては、最後の定期急行・客車寝台列車となして運行しています。

そんな「はまなす」も北海道新幹線の開通で廃止か運行区間縮小の可能性が高くなっています。なので、「北斗星」の乗り収めの帰りに「はまなす」の乗り収めをすることにしました。

※以前「はまなす」の魅力について紹介した記事があるので、詳しくはそちらもご覧下さい。
最後の夜行急行「はまなす」の魅力と今後

札幌駅から乗車

回送として到着する急行はまなす
回送列車として20分前に到着

今回乗車したのは札幌発青森行きの列車です。列車は札幌駅22:00の発車ですが、夜行列車らしく余裕を持って、20分前の21:40には札幌駅4番線へ到着します。昼間は「北斗星・カシオペア」と同じく稲穂駅近くの札幌運転所にて留置・メンテナンスをされているので、小樽方から回送列車は到着します。

札幌駅に停車中の急行はまなす
先頭車側から撮影

札幌駅に停車する急行はまなすとキハ40
最後尾側から撮影

発車まで20分ほど余裕があるので、撮影へ向かいます。札幌駅はターミナル駅ということもあって、蛍光灯が多く設置されています。なので、夜間に編成全体の写真を撮るにはお勧めの駅です。

一通り写真を撮り終えたので乗車します。列車は接続列車を待っての発車だったので、数分遅れで札幌駅を発車しました。

この日は平日でしたが、私が乗車したドリームカーの乗車率はかなり高めで、80%を越えていたと思います。カーペットカーは満席だったので、おそらく自由席を除いて全体的に混雑していたと思います。今回驚いたのは外国人観光客の方が多かったことです。私の隣の席や前の席も外国人の方でした。国としては中国のような周辺国だけでなく、英語圏のような遠くの国から観光に来ている方も多いよう感じました。

列車は札幌駅を発車して千歳線を走ります。車窓を眺めるのも良いのですが、体力優先で函館駅までは眠ることにします。

函館駅で機関車交換

函館での機関車交換を見るためセットしといたスマホのアラームで目が覚めます。起きたとき悪い夢でも見たような感じでした。普段は夜行列車でも眠れる体質なのによく眠れなかったので、その理由を考えましたが、下り「北斗星」に乗った際は保線の悪さで振動が激しい区間も多かったと感じていたので、線路の影響でよく寝付けなかったのかもしれません。

函館駅ホーム手前で停止するED79形
ホーム手前で停止するED79形

カメラの準備をして列車最後尾へ向かいます。函館駅では到着後すぐにDD51形が連結されているのとは反対側にED79形が連結されるので、連結を見るなら最後尾へ移動するのがベストです。ただし、DD51形の切り離しも到着後すぐに行われるので、切り離しが見たい場合はDD51形側に行くのがベストです。

列車は定刻通りの2:52頃到着しました。この日は北海道新幹線の試験による時刻変更が無かったので、30分後の3:22の発車です。よって30分ほど函館駅に停車します。

函館駅の急行はまなす連結の様子
ED79形との連結の様子

列車が到着するとすぐにED79形がやってきます。最後尾に乗車していると、ポイント手前でED79形が待機していて、「はまなす」通過後すぐに同じ線路へ入線してくるのが分かります。ホームへ入線すると一旦停止して、そのあとすぐに連結となります。しかも、その間はなんと5分弱と早業です。楽しみにしていた連結もすぐに終わってしまいました。

DD51形回送と急行はまなす
横は札幌から牽引してきたDD51形
列車が到着して10ほどすると、切り離されたDD51形が回送として横を通過していきました。

津軽海峡を越えて本州へ

函館駅も定時の3:22頃発車となりました。せっかくなので青森まで起きているつもりでしたが、睡魔に負けて青函トンネル出口手前まで寝てしまいました。青函トンネルは4:50分頃の通過です、青函トンネルを出ると10分ほどで津軽今別駅を通過します。津軽今別駅では定時・時刻変更無しでの運行だと、下り「北斗星・カシオペア」とすれ違います。さらに深夜試験で使われたH5系が停車していることもあります。今「はまなす」に乗るなら必須のポイントなので、青森行きの場合は進行方向右側に注意してください。

客車から見えるED79形
客車からED79が見える
乗務員交代のため停車する蟹田駅も通過して、青森駅まで20分ほどで到着となります。起きてきた方も多くなってきたので、車内を少し散策することにします。

急行はまなすミニラウンジ
ミニラウンジ

「はまなす」にはミニラウンジが二箇所設置されています。乗車するとすぐお休みになる方も多いので、何か作業をしたり食べたりする場合に利用すると良いと思います。

急行はまなす自動販売機
自動販売機

最近の列車では見かけることが少なくなった自動販売機も二箇所に設置されています。値段も普通の自販機と同じで、中身も350ml缶や500mlペットボトルで普通です。列車内にある自販機としては、良心的に感じます。

青森駅でも機関車交換

列車は定刻通り青森駅5:39に到着しました。距離にして491km・時刻にして7時間40分、長い距離お疲れ様といった感じです。しかし、到着してもゆっくりはしていられません。

急行はまなす青森駅でのED79形切り離し
ED79形の切り離し

ED79形が切り離された急行はまなす
ED79形が切り離された14系

機回し停車中のED79形
青函連絡船用の線路が機回し線になっている

ここでも機関車の交換がおこなわれます。函館駅から牽引してきたED79形は到着と同時に解放の準備がされ、数分で解放し機回し線へ回送されていきます。

青森駅停車中急行はまなす回送と青い森701系
青い森701系とのツーショット

その後10分ほどしてDE11形が、ED79形が連結していたのとは反対側に連結されます。連結後45分ほど経った6:40に青森車両センターへ回送されていきました。


映像にもしてみたので、お時間がある方はどうぞ。

有難う急行「はまなす」


北斗星は8月で運行を終了しますが、「はまなす」2016年3月まで走る可能性が高いようです。ですが、私は多分それまでに乗りに行くことは出来ないと思うので、今回が最後の乗車になりそうです。

以前にも数回「はまなす」に乗っていますが、北海道への貧乏旅行の相棒として思い出深い列車です。夜乗って朝目的地につけるだけでなく、函館駅まで往復の切符を買って宿代わりに往復乗車したりと、私にとっては便利で楽しい列車でした。そんな「はまなす」も終わってしまう可能性が高いとなると、非常に残念です。せめて最後まで元気に走ってくれることを願うばかりです。

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