2015年3月12日木曜日

さよならトワイライトエクスプレス・北斗星 寝台特急の今後




2015年3月14日のダイヤ改正により寝台特急「トワイライトエクスプレス」「北斗星」号が廃止になります。なので、廃止に至った理由や今後どうなるかなど紹介したいと思います。

なぜ廃止になるのか?

列車ごとに細かい事情もありますが、まずは共通する問題について触れたいと思います。それは青函トンネルと北海道新幹線によるものです。

現在は普通の旅客列車や貨物列車が行き来している青函トンネルですが、北海道新幹線開通後は北海道新幹線と貨物列車が両方が使用することになっています。

そのため北海道新幹線開業に向けて新幹線が走れるように青函トンネルの改良工事や試験を行っていますが、本州と北海道の大動脈であるため運行を停止することが出来ません。なので、深夜帯を走る貨物列車・寝台特急の運行を停止して工事・試験を行うというのが理由の一つです。

そして問題は工事・試験だけのときだけではなく、北海道新幹線開業後にもあります。

新幹線が青函トンネルを通るにあたって架線の電圧を新幹線側にあわせることになっています。そのため新型の電気機関車を用意する必要があるのですが、その費用が大きいというのがあります。そしてダイヤ的にも今より柔軟に組むのが難しくなると思われます。

次にそれぞれの列車が廃止になった理由と、今後について紹介したいと思います。

寝台特急トワイライトエクスプレス

芦原温泉駅を通過する寝台特急トワイライトエクスプレス
トワイライトエクスプレス

「トワイライトエクスプレス」は「大阪~札幌」間の運行を2015年3月14日のダイヤ改正後に完全にとりやめます。

車両が古くなってきていることも原因の一つですが、北陸新幹線の開業も大きな原因です。

北陸新幹線が開業すると「トワイライトエクスプレス」が運行している区間のうち、「金沢~直江津」間が第三セクターとなりJR西日本の路線ではなくなります。

そうなることで今までは自社の利益だった同区間の運賃が無くなるだけでなく、車両の通行料として第三セクターへ料金を支払う必要が発生して収益が大きく落ち込むのが原因です。

車両自体は古くなっているものの運行は可能で、しばらく臨時列車の「ランチクルーズトレイン」などとして今までの経路以外での運行を予定しています。

一部車両については京都の梅小路に建設中の京都鉄道博物館での保存・展示も予定されています。

寝台特急北斗星

寝台特急北斗星
北斗星

「上野~札幌」間を運行する「北斗星」はダイヤ改正により臨時列車となります。ダイヤ改正後翌日から編成の組み換えなどを行って、4月2~8月22日まで隔日で運行を行います。

北海道新幹線の試験や工事の関係で物流の減る大型連休の時などは、「北斗星・カシオペア」と一部貨物列車も含めて数日運休を行います。

こちらの廃止の原因は車両の老朽化です。JR東日本の車両については分かりませんが、JR北海道所有の車両については「北斗星」の廃止後はすぐに廃車にするとJR北海道の社長が発言したほど老朽化が進んでいるようです。

なので「北斗星」廃止後は比較的早くに客車も廃車になると思われます。

寝台特急カシオペア

寝台特急カシオペア
カシオペア

「カシオペア」は一編成しかないのでもともと隔日での運転でした。ダイヤ改正後も今まで通り隔日で9月いっぱいまでは運行を予定しています。

「カシオペア」の車両は1999年から運行開始と比較的新しい車両で、青函トンネル間の都合がつけば技術的には運行を続けることも可能でしょうし、今廃車にする理由もありません。

今のところ9月以降の予定については公表されていませんが、「トワイライトエクスプレス」同様に車両自体は現在の経路以外で運行され続けると思います。

また、技術的には青函トンネル用新型機関車EH800形に牽引してもらうことも可能なはずなので、機関車に余裕がある時期は北海道行き列車の実現の可能性も0ではないと思います。

あとがき

内容としては以前書いた記事と被る部分もありますが、まとめということで書いてみました。

これらの寝台特急がトワイライトは今日の便・北斗星は明日の便で終了すると、定期運用を行う寝台特急は「サンライズエクスプレス」だけとなってしまいます。北海道新幹線開業のためとは言え、本当に寂しいかぎりです。

※関連記事
「北斗星」「はまなす」「カシオペア」新ダイヤ徹底解説

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