記事作成日: 2015.02.26/記事更新日: 2015.02.08
急行形電車って?
文字通り急行列車に使われていた電車の総称です。車両の特徴としては座席は固定クロスシート(ボックスシート)で、両端にはデッキが付く形となっています。
車両新製当時は急行列車として使用されていましたが、列車種別の統廃合や新幹線の登場などで急行という列車自体が消えていきます。そうした時代の流れで急行電車は役目を失しなっていきました。
本来の役目を失った急行形電車は通勤輸送に耐えられるよう改造され近郊・ローカル輸送を行うようになったり、座席を特急のようなタイプへ変更した上で、快速や臨時列車として使われるようになったりしていきました。
そんな急行電車のうち最後まで活躍を続けた475系と、元165系である「富士急2000形」について紹介します。
そんな急行電車のうち最後まで活躍を続けた475系と、元165系である「富士急2000形」について紹介します。
最後の直流急行型電車「富士急2000形」
165系は1960年台初頭より製造・運用が始まった直流急行型電車です。165系は前身である153系急行型電車をベースに作られました。車体は耐寒構造に変更され、足回りは急勾配に対応しつつもメンテナンス性を考慮してMT比が変化しないよう、モーターの出力をアップするなど電装品が強化されています。
違う地区へ転属させたり、むやみに系列を増やすのも使い勝手が良くないということで165系は暖地でも採用されるようになり、大きく数を増やしていきました。
三つ峠駅を通過する富士急2000形
しかし、先に述べたよう急行自体の消滅で165系も近郊・ローカル輸送へ追いやられていきました。それでも余剰になる車両があったので、ジョイフルトレインという臨時列車向けのジャンルに改造される車両が生まれました。それが今回紹介する富士急2000形です。
この車両は国鉄時代1986年に改造されて「パノラマエクスプレスアルプス」として生まれ変った車両です。足回りなどは165系時代のものですが、内装は特急レベルまで引き上げられました。特徴的なのはロマンスカーやパノラマカーのような先頭車両です。運転台を客室の上にすることで、乗客は運転席に居るような景色を見ることが出来ます。
先頭車両の様子 左側が運転席へ繋がる入り口 |
国鉄からJRへ引き継がれ運転を続けていましたが、2002年には富士急へ譲渡され2000形「フジサン特急」として運転されることになりました。
展望車とは反対側の先頭車両 165系時代の特徴が濃く残っている |
そんな2000形も改造から30年近く経ち車両も古くなってきたため、2014年に1編成が小田急20000形RSE車によって置き換えられました。残りの1編成も2015年度中にJR東海371系へ置き換えられます。そのため富士急では、2015年12月19日より「フジサン特急2000系さよならキャンペーン」を実施し、2016年2月7日にさよなら運転が行われました。
直流形急行電車は165系を改造した富士急2000形のみとなっているため、今回の引退で直流急行型電車の幕が閉じます。
足回りなどは165系の流用ですが、車体は3ドア近郊型の完全に新しいものとなっています。そのため車内はロングシートになっており、165系時代の面影はまったく感じません。
475系についてへ続く 消える急行電車 ありがとう165系・475系 その2
形を変えて生き続ける165系
JR東日本107系電車 |
165系としては全ての編成が廃車となることになりましたが、165系の主要部品を再利用して製造された、生まれ変りのような車両が存在します。それはJR東日本107系電車です。
急行廃止で余剰となった165系ですがデッキやドア数という急行型車両の特製上、通勤電車としての利用は困難でした。そこで新しく作られた近郊型通勤車両の車体に台車や主制御機器など165系の主要機器を流用して生まれたのが107系です。
足回りなどは165系の流用ですが、車体は3ドア近郊型の完全に新しいものとなっています。そのため車内はロングシートになっており、165系時代の面影はまったく感じません。
現在は両毛線、上越線、信越線などで使用されていて、比較的簡単に乗ることができます。
なかなか面白い車両なので沢山走っているうちに乗ってみることをお勧めします。
475系についてへ続く 消える急行電車 ありがとう165系・475系 その2
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