2015年1月18日日曜日

新幹線を海外へ売り込め オールジャパンIHRAとCrash Avoidanceとは




新幹線を海外へ売り込むため2014年4月1日に設立された一般社団法人国際高速鉄道協会(略称IHRA)と、IHRAが提唱するCrash Avoidanceの原則について解説したいと思います。

新大阪駅停車中のN700系8000番台

一般社団法人国際高速鉄道協会 - IHRAとは?

IHRAのホームページの組織や挨拶を要約しますと、「新幹線のような日本型高速鉄道システムを国際標準とするため、高速鉄道建設を検討する国にCrash Avoidanceの原則に基づく日本型高速鉄道システムが欧州の高速鉄道システムと異なるシステムで、様々なメリットがあることを理解してもらう活動を行う」とあります。

大雑把に言い換えれば、新幹線型の高速鉄道の良さや外国との違いを知ってもらって国際標準にしようと言ったところです。

この組織の会員はJR東日本・西日本・東海・九州のほかに車両製造メーカー、信号機器メーカー、電装関係メーカー、大手商社など日本の鉄道売り込みに関わる様々な企業が名を連ねています。

組織の理事にはJR各社の人間のほかに台湾高鉄の方や、理事長代理に米国の方がいたりと日本以外のパイプ作りをしているのも分かります。

IHRAが薦めるCrash Avoidanceの原則とは?


今までにも何回か出てきた「Crash Avoidance」という言葉の意味ですが、日本語で言うと「衝突回避」の意味です。
高速鉄道専用線とATCの組み合わせで衝突回避を行うことを原則とするシステムというのが、IHRAの提唱する日本型高速鉄道システムというわけです。

IHRAが挙げる「Crash Avoidance」のメリット

・専用線/専用車両による高密度運行
・専用設計による車両設計の柔軟性向上
・耐衝突性能を組み込まないことによる軽量化や軌道保守の低減

専用線と高速鉄道専用車両とすることで速度の統一がしやすく、貨物列車などを一緒に走らせる場合より多くの運転本数が可能になります。

また、専用設計により旧来の車両より広い幅の車体にしたりもすることが出来ます。

そして耐衝突性能を排除することで強度がある程度低くても問題がなくなります。
それにより線路への負担や加速に必要なエネルギーを抑えることが出来ます。

日本の鉄道の多様性をもっと売りにしても良いのではないか?

IHRAは新幹線ベースのシステムを売り込むことを主眼にしているので、それ以外の形態についてはあまりアピールをしていません。

鉄道の世界でも規格化の流れがあり、着実に規格化は進んでいます。
その一方でコストや各地域の事情などで特殊化する流れは今でも続いています。

新幹線は確かに優れていますが、コストや地域の特性の関係で日本国内でも新幹線を気軽に建設できない状況であり、それは外国でも同じはずです。

日本ではコストを抑えるためにミニ新幹線や「はくたか」「スカイライナー」のようなスーパー特急方式など違った方法で効果を上げている路線もあります。

なので新幹線を第一案として提案しつつ、それが無理でも豊富な選択肢を用意できる団体であることをアピールしたほうが良いと思います。

IHRAに鉄道事業者として加盟しているのはJR4社のみとなっています。より多くの鉄道事業者に加盟してもらえれば、より柔軟な提案を可能に出来るのではないでしょうか。

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