記事作成日: 2014.11.12/記事更新日: 2016.02.20
寝台特急北斗星を牽引するED79形電機機関車 五稜郭駅にて撮影 |
なぜED79形は廃車になるのか?
ED79形は青函トンネルが開通するにあたり通過する客車や貨物列車を牽引する機関車が必要になり造られた電気機関車です。そのため現在運用されている区間は寝台特急などの旅客列車で青森駅~函館駅間、貨物列車では青森信号所~五稜郭貨物ターミナル間という限られた区間となっています。
北海道新幹線が開業すると青函トンネルは貨物列車と新幹線両方が使うことなるのですが、そこで問題が生じます。貨物列車と新幹線では同じ交流でも、使っている電気の電圧が違うのです。そこで貨物列車側が新幹線の電圧に合わせて走ることになり、新型の電機機関車EH800形を導入することが決定し、廃車になっていく流れとなりました。
青函トンネルで使えなくなったらなら他で使えばいいじゃないか?と思われる方も居ると思いますが、その可能性は非常に低いと思います。ED79形はED75形電機機関車を改造して造られた古い車両と、JR貨物が所有する1989年に一から新しく作った車両があります。改造して造られた車両はだいぶ古くなっていること、新しく作った車両も製造から25年経っていることと、高温多湿な青函トンネル・潮風の吹く海辺の路線・冬季の雪などの過酷な環境で使われていため痛みが激しく、通常より多くの修理が必要と想像されます。そのため修理して違う路線で使うよりは全て廃車にするほうが楽と思われます。また、ED75形のような臨時列車の牽引用として残すにしてもJR北海道の電化区間が限られていることを考えると、残すメリットはありません。
以上のこと踏まえるとED79形は全廃という形になると思います。
そんなED79形はとても面白い
上記のような理由から廃車になるであろうED79ですが、非常に魅力的な車両なのでそれについて簡単に紹介していきたいと思います。
JRでは珍しい4軸電機機関車
今では臨時列車などでしか見られないED75形 写真は定期運用でタンク車を牽引していた頃の姿 |
4軸電機機関車というのは車輪が4つの電機機関車ということなのですが、JRで定期運用で使われているのはED79形だけです。定期運用を除けばED75形もあるのですが、工事や車両を回送する時などの臨時列車にしか使われないので滅多に見ることができません。
様々な列車を牽引
急行「はまなす」を牽引するED79 函館駅にて撮影 |
ED79形が牽引するする列車は国内唯一の客車寝台特急「カシオペア」、国内唯一の夜行急行「はまなす」、貨物ではコンテナ車です。他の機関車は普段は貨物列車のみで、臨時列車でたまに客車なんて状況です。「北斗星・トワイライトエクスプレス」の廃止で牽引列車は減りましたが、今でも日本一豪華なバリエーションの列車を牽引する機関車と言えるのではないでしょうか。
映像は蟹田駅でトワイライトエクスプレスの乗務員が交代する様子です。夜行列車の乗務員交代というのは非常に珍しい光景となってしまいました。蟹田駅ではJR北海道とJR東日本の乗務員が交代するために停車します。
夜の蟹田駅での乗務員交代
映像は蟹田駅でトワイライトエクスプレスの乗務員が交代する様子です。夜行列車の乗務員交代というのは非常に珍しい光景となってしまいました。蟹田駅ではJR北海道とJR東日本の乗務員が交代するために停車します。
JRでは珍しい重連運用を行っていた
発車を待つ重連のED79形牽引の貨物列車 五稜郭駅にて撮影 |
重連というのは機関車が2両連なって走ることです。定期運用で重連運用を行っているのは寝台特急「カシオペア」で、「函館~札幌」間をDD51形の重連で運転しています。
ED79形は客車列車であれば1両で十分ですが、重いコンテナ列車が青函トンネルを走行できるように貨物を牽引する時は重連を行っていました。昔であればもっと頻繁に行われていましたが、近年では珍しい運用でした。今では貨物列車の定期運用から外れてしまいましたが、ごく希に急行「はまなす」でも回送を兼ねた重連運転が見ることができます。もし見れたなら本当にラッキーだと思ってください。
重連のED79形が通過する映像です。バックの高架は北海道新幹線のものです。今ではED79形に変わりEH500形とEH800形が貨物列車を牽引していますが、北海道新幹線開業後はEH800形のみとなります。
ED79形は客車列車であれば1両で十分ですが、重いコンテナ列車が青函トンネルを走行できるように貨物を牽引する時は重連を行っていました。昔であればもっと頻繁に行われていましたが、近年では珍しい運用でした。今では貨物列車の定期運用から外れてしまいましたが、ごく希に急行「はまなす」でも回送を兼ねた重連運転が見ることができます。もし見れたなら本当にラッキーだと思ってください。
木古内付近を通過するED79形
重連のED79形が通過する映像です。バックの高架は北海道新幹線のものです。今ではED79形に変わりEH500形とEH800形が貨物列車を牽引していますが、北海道新幹線開業後はEH800形のみとなります。
受け継がれた客車列車
北海道新幹線の開業で青函トンネルの旅客運用は新幹線のみとなるかと思われましたが、寝台特急「カシオペア」が団体臨時で運行する予定と報道されました。ED79形の廃止と共に消えると思われた青函トンネルを通過する客車列車ですが、臨時という形であれどEH800形へ受け継がれそうです。
あとがき
個人的に思い入れがあるのでED79形について書いてみました。ブログを始めた頃に書いた記事ですが、ED79形もまもなく最後ということで簡単に更新しました。この記事でED79形の良さが少しでも伝われば幸いです。
スポンサーリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿