試験車両 R291と元八高線キハ30改造車 |
周りは住宅街になっていて最寄駅の国立駅から徒歩10分程度とアクセスは悪くない場所に立地しています。
この鉄道総研では各種技術開発や計測などを行い日本の鉄道技術の発展に貢献しています。そのため撮影できる場所に制限があり、この記事も文字を主体に何回かに分けて進めていきます。
車内快適性シュミレータ
あまり聞きなれない装置の名前だと思いますがこの装置は擬似的に乗車している感覚を作り出し乗り心地の評価などをする装置で、今回擬似乗車できるということで体験してきました。
大まかなスペック
・三菱フレンション製?
・油圧を使った横2×2列・縦6列の12人乗り
・実際の鉄道車両と同じ座席などを使用
・200インチのリアプロジェクター式モニタにCGの車窓が映る
・振動や映像、傾きで乗車体験を再現する
今回体験したのは新幹線を通常の数倍の速度で走らせたものでした。なぜそのような無茶苦茶なシュミレーションかと言いますと、多くの人に体験してもらえるよう4分で一駅分の体験を出来るようにしたからとのことで、実際だったらリニア並みの加速で脱線しかねない速度との説明がありました。
普段の試験では一般のモニターの方に一時間乗ってもらったりするそうです。実際乗ってみるとなかなかリアルで車窓のCGが安っぽいという以外は本当に乗っているかのような感じで、無茶苦茶なシュミレーションのせいか若干気持ち悪い感じもしました。上のスペックでもあるよう座席は実車と同じものを使っているそうですが、座席は新幹線タイプでテーブルに東海道新幹線っぽい編成表のシールが貼ってありました。
この擬似体験をどう再現するで関心したのは、加速・減速は車体と映像を前後に傾けて窓から見える景色を見かけ上水平にするだけという方法です。カーブは左右に傾ければいいですし振動も小刻みに揺らせば簡単に再現することができるのは分かりますが、加減速の方法は思いつきませんでした。
今回私が聞いた説明ではこの装置には二つの意味があるそうです。実際の乗り心地を客観的に評価してもらうために同じ条件で沢山の人に体験してもらうため、安全性ではなく乗り心地のための基準などを決めるためです。
一つ目ですが乗り心地というのは周りの環境にも作用されるので同じ車両を使っても走らせるたびに若干ですが乗り心地が変ってしまいます。それを避けるために実車を計測→データ化→擬似乗車体験という遠回りなプロセスで様々な人に評価してもらいます。
二つ目についてですが鉄道の設備の基準を決めるにあたって二つの基準があると言えると思います。それは安全に走るための基準と乗客が快適と感じる基準です。安全に走るための基準は重大事故につながるので必ずクリアする必要がありますが、快適性の基準は人それぞれの感じ方の違いやかけられるコストなどがあるので難しい問題です。それを擬似乗車で体験してもらい様々なパラメーターを弄ることで探りだす手助けができます。
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