2014年10月8日水曜日

貨物輸送の今後を考えさせる東海道線土砂災害




武蔵野線新座駅を通過するEF210形牽引の貨物列車
武蔵野線新座駅を通過するEF210牽引のコンテナ貨物列車

おととい通過した台風の影響で東海道線は3箇所で支障が発生し、そのうち一箇所の興津駅~由比駅に関しては運転再開の見込みが立つまでもう少しかかるようです。このことで東海道線を走る貨物列車も影響を受けて運休しているのですが、それはJR貨物が運行する列車の18.4%にあたる90本でコンテナ約11000個分の輸送力になります。北陸線周りで一部列車の迂回輸送が始まったものの東海道線の輸送力の7.2%にあたる800個分にしかならず、トラックでの代行輸送も開始する予定です。

近年の大規模迂回輸送と言えば東日本大震災を思い出しますが、あの時は使わなくなって留置されていた車両重量の軽いタンク車をかき集めたりして普段貨物列車の走らない陸羽東線などを経由して石油輸送を行ったりがありました。鉄道貨物の輸送区間は年々短くなっていることや、幹線を走ることを前提する貨物車両になることで貨物列車が走れる区間が減っています。これは鉄道輸送がトラック輸送などに対向できていないのとJR各社の線路を借りて走らせているのでJR貨物の立場が弱いことによるものだと思います。なので迂回輸送での対応は年々難しくなっています。

また、JR貨物は災害などの輸送障害などが発生した場合はトラック輸送や船舶での輸送で代行輸送が行えるよう対策をしていますが、今回の規模だとあらかじめJR貨物が用意したものだけでは難しいと思います。それでも物流業界はトラック運転手の不足などで貨物列車を必要としていないわけでもありませんので、いろいろなミスマッチの結果が今の状態なんだと思います。

今回は東海道線の一部区間が不通になっただけで大きな災害が起きたわけではありません。それでも大きなダメージが鉄道貨物を襲い、輸送業界全体でも無視できるレベルではないはずです。
この区間は南海トラフや富士山の噴火で鉄路に限らず更に大きな障害が発生してもおかしくない区間ですが、その割には迂回対策や代行輸送での対策が進んでいないよう私は感じました。なのでどのような対策が可能かいずれ調べてみたいと思います。

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