2014年10月2日に三菱重工は広島県三原市に総合交通システム検証施設「MIHARA試験センター(MTC)」を開設したと発表しました。
総合施設とあるように鉄道のほかにゆりかもめやリニモのようなタイヤ式・浮上式の実験線があります。近年日本の鉄道メーカー各社は海外輸出を目指しているので自社だけでなく広く利用出来るようにすると発表しています。
実験線概要
鉄道用
・周回試験線+小曲線試験線の構成
・周回試験線は一周3.2km
・バラス+スラブ軌道
・軌道は標準軌と狭軌の三線軌条
・盛土勾配軌道50‰
・時速100km/hでの走行が可能
・レールに欧州規格を採用するなどのグローバル仕様
その他用
・磁気浮上試験線(HSST)
・新交通システム試験線(AGT)
利用具体例
・車両、信号、運行管理などトータルでの試験
・RAMS規格やEMC規格等の対応
・海外輸出にあたって想定される事例への試験
・海外輸出向けのデモンストレーション
・輸出国の方を招いての技術研修
・技術開発
場所についてもう少し細かく触れるとJR呉線沿いの沼田川河口付近にある施設で、googleアースで見てもらうと分かりますが、試験線や建物を航空写真から確認することができます。利用例から見ても分かるように各種試験のほかに国外輸出を強く意識した施設です。
国内の試験線と言えば古くは北海道の狩勝実験線などがありましたが、現在は国分寺の鉄道総研に小規模なものがあるぐいらで、大きな規模のものは無かったと記憶しています。国内向け車両などであれば長い実績があることや試験線などを使用しなくても、導入を検討している鉄道会社と研究を重ねていくこともできます。
国内の試験線と言えば古くは北海道の狩勝実験線などがありましたが、現在は国分寺の鉄道総研に小規模なものがあるぐいらで、大きな規模のものは無かったと記憶しています。国内向け車両などであれば長い実績があることや試験線などを使用しなくても、導入を検討している鉄道会社と研究を重ねていくこともできます。
しかし、日本の鉄道関連会社の多くが進めようとしている海外進出や、まったく新しい技術の場合はそうも行きません。国内では海外規格の線路などがないので海外向けの試験は行えませんし、FGTのようなまったく新しい技術の試験はアメリカの試験線で試験を行うなど、非常に大変なものでした。さらに、これから鉄道を建設しようという途上国へ売り込む場合は、自由にデモンストレーションを行ったり、現地の方への教育を行う施設もあるほうが便利です。
また、鉄道は一社で全てを行うには、難しい規模の開発が行われることが普通です。その場合は、他社と共同で開発することになります。そういった理由からも三菱重工以外も広く使用できるようにし、他社の技術開発を進めることが三菱重工の利益にも繋がります。
直接利益を上げるというよりは、投資的な意味合いの強い施設です。私はこの施設が非常に意義のあるものだと思います。なので、今後の日本の鉄道の発展に寄与するこを期待しています。
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