初の本格導入となる埼京線 |
ATACSとは何なのか
ATACSとはJR東日本が開発を進めている新型の信号システムで、2011年から仙石線での試験導入、2017年から埼京線での運用を目指す次世代の信号システムです。何が今までと違うのか
一言で言うと「無線で列車の制御を行う」これに尽きます。
メリットは何か
今回はJR東日本の資料を参考にしたのでメリットのみを取り上げますが、
1.安全性・信頼性の向上
2.地上設備の削減及びメンテナンスコストの削減
3.きめこまかな制御・追随製
4.信号システムの高機能化
が主なものなります。これだとJR側のメリットばかりなので利用者視点でのメリットを上げますと、
1.運行がきめ細かく対応できるので
時間短縮・運行の柔軟性アップによる平常時・異常時のダイヤ改善
時間短縮・運行の柔軟性アップによる平常時・異常時のダイヤ改善
2.踏切の遮断時間の短縮
この2つが利用者が実感できる可能性の高いメリットです。
これらメリットどう実現するか
まず設備について見てみますと、
・メインとなる運行管理システム
・それを送受信する地上アンテナ
・送受信して制御する列車内のATACS制御装置
・補助的に使用される地上子などの地上設備
の4つに大きく分けることが出来ると思います。
旧来鉄道の信号システムというと運行管理システムがまず中心にあり、地上設備側が働きかけ列車を制御するものでした。これがATACSになると運行管理システムが中心になるのは当然変らないのですが、地上設備に頼るのではなく列車内にあるATACS制御システムが中心になり速度などの列車の状況をモニタリングし管理システムへ無線送信する。それを元に管理システムが列車へ信号情報などを送り車両を制御、地上設備は速度計測の補正や万が一のときなどのごく限られた利用となります。イメージとしては新幹線などで使われてるD-ATCの改良版といったところでしょうか。
これにより地上設備削減によるコスト削減や列車内からのモニタリングを主としつつ制御することで地上閉塞を無くしたりより細かな情報を元にきめ細かい制御することが可能になるわけです。
ではもう少し具体的にどうメリットが実現するかを書いて見ます。地上設備が減ることで当然メンテナンスの手間が減り、設備の変更などに対しても素早い対応が出来ます。更に地震などの災害が起きても復旧を早めることが効果もあります。次に車両側でモニタリング行い閉塞ではなく車両側の制御に頼り運行することで、形式ごとによる個別の速度制限、運行間隔の最適化、踏切の遮断時間短縮が可能になります。
・メインとなる運行管理システム
・それを送受信する地上アンテナ
・送受信して制御する列車内のATACS制御装置
・補助的に使用される地上子などの地上設備
の4つに大きく分けることが出来ると思います。
旧来鉄道の信号システムというと運行管理システムがまず中心にあり、地上設備側が働きかけ列車を制御するものでした。これがATACSになると運行管理システムが中心になるのは当然変らないのですが、地上設備に頼るのではなく列車内にあるATACS制御システムが中心になり速度などの列車の状況をモニタリングし管理システムへ無線送信する。それを元に管理システムが列車へ信号情報などを送り車両を制御、地上設備は速度計測の補正や万が一のときなどのごく限られた利用となります。イメージとしては新幹線などで使われてるD-ATCの改良版といったところでしょうか。
これにより地上設備削減によるコスト削減や列車内からのモニタリングを主としつつ制御することで地上閉塞を無くしたりより細かな情報を元にきめ細かい制御することが可能になるわけです。
ではもう少し具体的にどうメリットが実現するかを書いて見ます。地上設備が減ることで当然メンテナンスの手間が減り、設備の変更などに対しても素早い対応が出来ます。更に地震などの災害が起きても復旧を早めることが効果もあります。次に車両側でモニタリング行い閉塞ではなく車両側の制御に頼り運行することで、形式ごとによる個別の速度制限、運行間隔の最適化、踏切の遮断時間短縮が可能になります。
初めてATACSの試験が行われた仙石線 |
JR東日本の資料によると東日本大震災の復旧時間短縮にも役立ったとあります。
・安全はどう確保するのか
やはり列車側の制御が主となると安全性が気になりますよね。それをどう確保するかは例を上げて説明すると以下のようになります。1.通信切断
通常1秒単位で地上と車両は通信を同期しているのですが、3秒を超えて通信できなくなった場合に非常停止をします。2.合理性チェック
1秒で1km走ったりしたらおかしいですよね。このような異常なデータがあったら非常停車します。3.列車位置の特定が出来なくなる
突然走っている列車の位置を検知できなくなってしまった。この場合当該列車は1や2の機能により停車します。後続列車は当該列車の位置が最後に特定できた場所を元に非常停止します。4.列車が分離した
当該車両は編成全体をモニタリングしているので分離を検知できます。その際分離が発生した時の情報を地上側に送信することで後続列車の安全を確保します。5.システム非搭載車が誤進入、システムの電源OFFの車両が流転した
この場合は地上設備の出番で地上側にある車軸検知装置などを利用して車両を検知し周辺車両を緊急停止させます。今後の埼京線への導入計画
現在既に埼京線での2017年度秋大宮~池袋間での導入を目指して埼京線E233系へのATACS制御システムの取り付け工事が行われています。そのため、さよなら運転も終わった205系が穴を埋める形で運行しいます。細かいスケージュールなどは未定のようですが、大宮~池袋間なのでATC区間の置き換えのみでATS-P区間は現行の通りとなりそうです。
湘南新宿ラインなどの走る山手線区間がATS-Pとなるのは分かるのですが、川越~大宮間が除外されるのが以外です。運行本数が多い区間での問題が探りたいといったことからなのでしょうか?
※現在埼京線では大宮~池袋間がATCで運行されていて、りんかい線も含むその他区間はATS-Pでの運行となっています。
世界の無線信号システム
現在世界でも信号システムが採用・開発されています。日本が飛びぬけて進んでいるというわけではないのが現状のようです。
ERTMS/ETCS
EUで導入が進められている信号技術で、機能により3段階の構成がある
ERTMS Regional
スウェーデンでは既に実用化されているローカル線向けのシステム。現在EUでの開発が進められている。
CBTC
地下鉄などの世界の都市鉄道への導入が進められている。2.4GhzのWi-FIを利用する場合も多い。
PTC
北米で開発が進められている。
また各国の駆け引きとして、国際鉄道連合(UIC)においてEUがERTMS/ETCSを国際標準として提案するも日本が反対、翌年2008年に日本は特定の企画でなく性能要求手順を国際標準とすべきと提案とあります。
日本に限らずEU規格を標準とされることを嫌がる国も多いと思うので、手順のほうを国際標準にと提案したのはなかなか良いと思います。しかし、これでは規格が世界中ばらばらになることを意味するので悩ましいところです。
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