消える都電7000形
都営7000形7002号車 |
東京に唯一残った路面電車の都営荒川線ですが、そこで活躍する最古の形式が都営7000形です。7000形は1954年から1956年にかけて製造された車両ですが、荒川線で使用れているのは末期に製造されたグループがベースとなっています。
ベースになったといのは、現存する車両については足回りや電装部品については登場時のものを流用し、車体については1977年にワンマン化改造時に全ての車両で乗せ換えているからです。その後1985年から冷房化工事が行われ、現在の姿となっています。元の車両は国鉄80形のような二分割のフロントガラスに、窓ガラスした中央に丸形ライトというデザインでした。高知県を走る土佐電気鉄道600形が姉妹車両で、こちらのほうが外観デザインは7000形登場時に近いものとなっています。
鉄道ファンとしては都電最古の形式としての魅力はもちろんのこと、吊り掛け車両としての力強い走行音が魅力的な車両です。乗車してみると床下から「ゴォー!」という力強いモーター音が聞くことが出来ます。吊り掛け式の車両は路面電車ではまだまだ一般的ですが、7000形の消滅で都電荒川線での営業車では消滅します。
2017年春にはすべての運行を終了する予定の7000形ですが、7055から車体更新時に改番した現在稼働する車両最古の7001号車と、7076から7022号車と改めた2両が稼働しています。2両とも黄色いボディの帯という、ツーマン時代をイメージさせるカラーリングで運行をしています。2017年3月24~26日の間には、7000形を模した都バスのラッピング車両も運行します。
鉄道ファンとしては都電最古の形式としての魅力はもちろんのこと、吊り掛け車両としての力強い走行音が魅力的な車両です。乗車してみると床下から「ゴォー!」という力強いモーター音が聞くことが出来ます。吊り掛け式の車両は路面電車ではまだまだ一般的ですが、7000形の消滅で都電荒川線での営業車では消滅します。
7001号車 |
8900形 |
2016年11月撮影の映像
生まれ変わった7700形
右の青い車両が7700形 |
8900形による置き換えで新造車両での置き換えが進むかと思ったのですが、そうはなりませんでした。7000形を改造した上で、使い続けると発表されたのです。
改造内容としては8900形に準じた装備にするという物でした。内容としては車内のリニューアルに始まり、全ての電装部品や台車も8900形と同じものにするというものでした。これにより抵抗制御からVVVFインバータ制御へ、吊り掛け式から平行カルダンWNドライブ方式に変更となりました。車体は塗装を変えて概ねそのまま利用されましたが、前方の扉を拡幅し、乗降扉側の先端部車体側面に安全確認用の小窓を付け加える小改造が行われました。
これに伴い車両形式を7700形と改め、車両番号も改めて新しいものが割り振られました。7000形製造時からあるものは、これで全てなくなりました。国鉄103系3000番台を彷彿させる、車両の歴史です。なぜこのようにったかというと、8900形の製造が1億8千万に対し、7700形への改造が1億3千万と5千万も安くなるからです。最終的に8両の導入が予定されているので、4億円もの経費削減となります。
この改造により車内環境が8900形に準じ快適になっただけでなく、台車などの足回りも最新のものとなったので、乗り心地や騒音レベルも改善したと感じました。鉄道ファンとしては寂しさを感じるものの、毎日利用される方には嬉しいものだと思います。
※参考文献
東京新聞ウェブ (2016.03.29) 「「全盛期の都電」再び 60年超の老朽車両を大改修」、東洋電機「東京都交通局荒川線8900形車両用電機品」、石井明彦「都営交通100年を迎えて」
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